イタリア・トスカーノ地方の塩なしパン「パーネ・トスカーノ」の意外な誕生秘話と食べ方

どうも、パン君です!
今日もブログをご覧頂きありがとうございます。

クロワッサンなどのようにバターの風味が香るパンっておいしいですよね?

確かにバターもパンのおいしさを引き立たせる魅力のひとつですが、パンの味を決める上でとても重要なのは「塩」だと自分は思うのです。

料理においても同じだと思います。たったひとつまみの塩を入れてあげるだけで、その料理の味が左右されることもあります。

パスタにおいてもゆでる時に塩を入れるのは必要不可欠な存在になっています。

ここ数年では塩スイーツなるブームも登場し、塩キャラメル、塩バニラアイス、塩レモンなど10年以上前なら考えられないようなものが人気です!

塩バターパンも不動の人気です!!!

塩ブームの先駆けの塩バターパン

しかーーーし!!!

世の中には斬新なパンがあります。塩を使っていない「塩なしパン」というのがあるのです!

今記事では日本ではあまり見られない「塩なしパン」の意外な誕生秘話、食べ方を紹介していきたいと思います。

イタリア・トスカーノ州で誕生した塩なしパン

いきなりですが「パーネ・トスカーノ」というパンを聞いたことはありますか?

これが塩なしパンの正式名称なのですが、誕生したきっかけが意外なところなのです。

パーネ・トスカーノの発祥は、イタリアのトスカーノ州です。

トスカーノ州はピサやシエーナ、プラートなど多くの古都が点在し、またピサの斜塔で有名な「ピサのドゥオモ広場」など6つのユネスコ世界遺産があり、多くの観光客でにぎわっているところです。

パーネ・トスカーノの発祥のトスカーナ州

ではなぜ塩の入っていないパンが誕生したのか?

それは当時の政治情勢にあります。さかのぼること12世紀のお話になります。トスカーナの中心都市フィレンツェは、ライバル都市ピサが港を封鎖してしまったことにより、フィレンツェへ塩が入るのを妨害しました。

しかしパンは、生活に必要不可欠な存在です。困ったパン屋さんは、塩を使わないパン「パーネ・トスカーノ」を作り始めたのです。

塩はパンにとって生地のコシを強くしたり、グルテンを引き締めたりと重要な働きをします。もちろん塩がなくてもパンは作れますが、扱いづらい生地になるので、かなりな技術を要します。

その後ようやく塩が手に入るようになりましたが、塩税なる税金が登場し、結果「パーネ・トスカーノ」は現在まで残るパンとなったのです。

パーネ・トスカーノの生地の特徴

パンは小麦粉・塩・酵母・水さえあれば作れると定義されてますが、前述したように塩がないわけですから、小麦粉・酵母・水のみで生地が作られました。

砂糖もバターも使っていないわけですから非常に味気のないパンなのです。

ちなみに酵母はビール酵母が一般的です。胃腸の働きを活発にさせ、栄養補給もできると言われているビール酵母が入っているパンは、素晴らしいですね。

今でもパーネ・トスカーノが愛されている理由

塩の入っていないパンが今でも愛されているんです!

不思議だと思いませんか?イタリアにはフォカッチャ、チャバタなどおいしいパンがいっぱいあります。

その中で塩の使っていないパンが今でも食べられているんです。

今でも食べられるために先人たちはさまざまな工夫をしたのです。

パンをおいしく食べる相性を考えました。濃厚なトスカーノ料理のパッパ・アル・ポモドーロ(トマト味のおかゆ)がパーネ・トスカーノにピッタリだったんです。

それによってイタリアの食文化に必要不可欠な存在として定着しました。

過去記事で北海道のローカル番組「みんなのテレビ」でトマトのパンがゆの特集があり、記事にしていますので参照してください。手軽に作ることができます。

【みんなのテレビ】パンがゆのレシピ公開!予約待ちでも食べたい!イタリアの母の味/奇跡のひと皿のコーナー

パーネ・トスカーノの保存方法と食べ方

前項で書いた以外の食べ方ですが、塩が入っていないだけに、コンソメの味が効いたポトフや塩気がある生ハムとの組み合わせて食べるのも人気があるのです。

パーネ・トスカーノに合う生ハム

砂糖やバターが入っていないリーンなパンは、パンの劣化が非常に早く、特にパーネ・トスカーノはさらに塩もないので保存に不向きなパンとも言えます。

超がつくぐらいのリーンなパンですから、発酵にも時間がかかるため、長時間要するため何度も作るのは大変です。

だから当然保存しなくてはいけません。そのためタオルに包んで少しでも空気に触れさせないようにして工夫し、3日は持つようにしました。

劣化したらさすがにパサつき感がすごいので、トスカーノ料理に使うように切り替えたようです。

塩の入っていないパンは、味気ないと思います。でも愛されるのは、ざっくりとした食感でいて、塩気はなくても噛めば噛むほど白飯のような甘みを感じるのが魅力のようです。

日本人がお米をいっぱい噛んで甘みを感じるのと同じですね!

塩の入っていないパンが気になる方は、以下をクリックしてください(^O^)/

天然酵母 全粒粉入り小麦粉 水だけ 横浜山手の無塩ドイツパントスカーナパン

 






■オススメ&参考書籍など■
パンづくりの失敗と疑問をスッキリ解決する本(監修)坂本 りか
パンづくりに困ったら読む本(著)梶原 慶春、浅田 和宏
■Kindle版■
今日は何のパン作る? cuocaオリジナルレシピ集 (レタスクラブMOOK) (著)クオカプランニング
きほんの手作りパン 失敗しないでどんどん上達 料理コレ1冊!(著)藤田千秋

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