パン作りにおける水温の方程式②~摩擦係数って何ぞや!?~

どうも、パン君です!
今日もブログをご覧頂きありがとうございます。

なぜ餅つき!?今回のキーワードは摩擦だからです。

前記事『パン作りにおける水温の方程式①~パンの良し悪しは生地で決まる!~』において、パンの良し悪しは生地を作る最初の工程からスタートしているんだということを熱く書き綴りました。

前記事を軽くおさらい

軽くおさらいすると生地をこね上げるには水や牛乳を使いますが、ただ小麦粉と混ぜ合わせるだけでなく、厨房内の室温や湿度などを気にしながら、使用する水の温度を決めないといけません。

そこで紹介したのが水温を求める方程式でした!!!

こね上げ温度=(水温+粉温+室温)÷3+摩擦係数 

水温=3×(こねあげ温度-摩擦係数)-(粉温+室温)

水温を求める方程式ですが、確かに上記のようにやることで水温を導くことができますが、曖昧な部分もあると自分は思っています。

その辺を当記事で詳しく紹介していきたいと思います。

水温を求めてみる

水温を求める方程式に基づいて計算してみたいと思います。

室温20℃の厨房で生地を仕込みました。
その時の粉温は20℃、水温は23℃でした。

さてここに気になるのが摩擦係数という言葉です。これはミキサーでこね上げる時の生地に加わる摩擦による上昇する数値のことを言います。

本などを見るとここが割と曖昧になっていて、摩擦係数を6~7℃と紹介しています。

なので摩擦係数を6℃として計算してみます。

(23+20+20)÷3+6=27(こね上げ温度)

3(27-6)-(20+20)=23(水温)


生地作りに使用する原材料は、小麦粉と水が全体の8割以上となるため、いかに粉温、水温、そして室温が大切だということが分かるかと思います。

こね上げ温度ですが、オーソドックスな例で断定はできませんが、大体リーンな生地は約22~24℃、リッチな生地は24~26℃ぐらいが平均値となります。

まずは一番目の方程式を参考に生地を26℃にこね上げたいなら、水温は何℃にすればいいんだろうと考え、それで実際に生地を作り、どんどん経験を重ねていくのが重要になります。

摩擦係数はおよそで考えてはいけない

冒頭のおさらいにおいて、水温の求めるところで曖昧な部分があると書きました。

曖昧だと感じるのは、摩擦係数のことです。本には6~7℃と予想値で記載されています。

しかし摩擦係数は、リーンな生地とリッチな生地ではグルテンの作り方も違うし、生地を仕込む粉のkg数も多ければ多い方が摩擦も加わるため、異なってきます。

そこで自分が教わってきたことですが、摩擦係数を求める方程式があるので紹介したいと思います。

摩擦係数=こね上げ温度×3-(粉温-水温-室温)

例ですが、生地(10kg)を仕込んだから25℃でした。その時の室温は23℃、粉温20℃、水温12℃でした。

上記の例で方程式に当てはめて計算してみます。

25×3-(20-12-23)=20となり、摩擦係数が20であることが計算できました。

この摩擦係数があることで仕込み係数を求めることができます。

仕込み係数=こね上げ温度×3-摩擦係数

最初の方程式で摩擦係数が20だったので、それを当てはめると25×3-20=55となり、仕込み係数が55となりました。

そして最後の方程式で、水の温度が分かるのです。

水温=仕込み係数-室温-粉温

当てはめると50-23-20=7となり、水温は7℃であることが分かりました。

仕込みのkg数が、1kgと10kgでは摩擦係数も当然異なりますので、kg数ごとにデータを持つと便利です。

しっかりと各種温度を把握した上で生地を作り、適正なこね上げ温度で生地が作れた時のデータは、しっかりとした摩擦係数のデータとなるので忘れずに覚えておいてください。

最後に

夏場の厨房は暑いので、計算すると-(マイナス)のデータが出る場合があります。もし-7℃になったからといって、氷をいっぱい使用した冷水で生地を仕込むにはよくありません。そういう場合は、粉を冷やすという手間が必要になります。

 






■オススメ&参考書籍など■
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パンづくりに困ったら読む本(著)梶原 慶春、浅田 和宏
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